英国のインバウンド観光、2024年の訪問者数と消費額は増加傾向

| 12月 27, 2023
英国のインバウンド観光、2024年の訪問者数と消費額は増加傾向

英国政府観光庁(VisitBritain)の予測によると、英国(UK)の観光業は増加傾向にあるという。

英国政府観光庁(VisitBritain)は、英国の国営観光機関である。 英国の世界的なマーケティングと、英国のビジター・エコノミーの発展を担っている。

2024年12月20日に発表された観光予測2024において、英国の観光業は2023年の水準と比較して、インバウンドの訪問者数と全体的な消費額の増加を示した。

2024年の英国における外国人観光客の消費額は、全体で341億ポンドと予測されている。 2023年に予測される支出額317億ポンドから7%増である。

パンデミック前の2019年の支出予測も20%増となっている。 しかし、インフレ調整後では、2023年の数字は2019年の水準の96%に過ぎない。

英国への訪問者数について、英国政府観光庁は2024年には3950万人になると予測している。 これは2023年に予想される3780万人から5%の増加である。 しかし、それでも2019年より3%低い数字である。

英国政府観光庁は、インバウンド観光は2025年初頭までに2019年の水準に回復すると予測している。 これは、外国人観光客の訪問数と消費額の両方においてである。

英国のインバウンド観光への主な貢献者

2023年以降、英国への訪問者数と観光消費額は増加する可能性がある。 しかし、主要なインバウンド市場全体では、回復率や成長率にまだばらつきがある。

米国が英国観光の回復をリードしている。 2023年のアメリカ人観光客の消費額は、インフレ調整後でも2019年から28%増という記録的な伸びを達成した。

「英国政府観光庁のパトリシア・イェーツ最高経営責任者(CEO)は、「外国人観光客は英国で何百億ポンドもの消費をしており、そのお金は地元の経済と雇用を支えている。

米国からの支出が2桁の伸びを示し、来年2023年の全体的な伸びも予測されているのは素晴らしいことです」と付け加えた。

英国政府観光庁は、2024年の米国市場の規模を67億ポンドと予測している。 アメリカ人観光客は、全インバウンド消費額の5ポンドに1ポンド近く貢献すると予測している。

2019年に英国で2番目に価値のあるインバウンド市場であった中国は、徐々に回復しており、2023年を通して訪問者数は増加している。

全体として、東アジアの回復は比較的緩やかである。 英国政府観光庁(VisitBritain)は、2024年には中国の市場価値が17億ポンドに達し、英国で4番目に価値のある訪日観光客市場になると予測している。

欧州からの回復ペースは2023年前半以降鈍化し、最新のデータによれば、支出は2019年をわずかに下回る程度にとどまった。

これは、近隣のヨーロッパの観光地との熾烈な観光競争によるものと思われる。

英国2024年観光キャンペーン

英国の観光産業は、サービス輸出第3位として経済に大きく貢献している重要なセクターである。

2024年に向けて、英国政府観光庁は主要な観光キャンペーンを概説し、英国をもっと発見し、もっと長く滞在し、今すぐ訪れるよう観光客を鼓舞した。 その目的は、英国への消費を促進し、観光の経済効果をより多くの英国観光地に広げることである。

国際的なキャンペーンは、オーストラリアやアメリカといった堅実な成長市場に焦点を当てる。 また、欧州の主要市場や価値ある湾岸協力会議(GCC)諸国もターゲットにする。

英国政府観光庁(VisitBritain)の調査によると、訪問者の目的地選択に影響を与える主な要因のひとつは、その歓迎度である。

そのキャンペーンは、活気ある都市、現代文化、英国の美しい海岸や田園地帯にスポットを当てる。 これはまた、イギリス全土でより多くの観光地が観光による経済効果を実感できることを意味する。

英国政府観光局もまた、スクリーン・ツーリズムの力を活用する予定だ。 その調査によると、映画やテレビは旅行の強力な動機づけやインスピレーションになることがわかった。

スクリーン・ツーリズム、別名フィルム・ツーリズムとは、映画やテレビ番組で取り上げられた場所が旅行者に人気となる現象を指す。

英国政府観光庁はこのキャンペーンを通じ、映画やテレビのロケ地、観光地、観光客の体験などを紹介する。

また、英国政府観光庁は最近、英国の国や地域全体で映画観光を促進するため、英国映画委員会と覚書を交わした。

年度末の訪問と支出統計

国家統計局が発表した英国へのインバウンド観光に関する最新の公式統計は、2023年1月から9月までの期間を対象としている。

この統計によると、この期間に英国を訪れたインバウンドは約2,820万人で、海外からの訪問者は英国で総額230億ポンドを消費した。

さらに、最新のデータによると、2023年から現在までの訪問者の平均消費額は1回あたり817ポンドで、2019年に記録した684ポンドを上回っている。

また、滞在日数も長くなっており、2019年の平均滞在日数は6.4泊であったのに対し、7.3泊となっている。